東京地方裁判所 昭和43年(借チ)3014号 決定
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〔決定理由〕一、本件申立の要旨は、
「1 申立竹内か子は別紙(一)の土地(ただし、面積は109.09平方米)を相手方から建物所有の目的で賃借し、右地上に別紙(三)の建物を所有していた。ところで右建物は抵当権の実行により競売に付され(東京地方裁判所昭和四二年(ケ)第六五五号事件)、申立人においてこれを競落し、昭和四三年六月一一日代金を支払い、右建物の所有権とともに敷地の賃借権を取得した。
2 申立人は不動産の取引を業とし、社員二五名、取引額三、〇〇〇万円(月額)の実績をもつ株式会社で、右借地権の譲渡によつて賃貸人に不利となるおそれはないのに相手方はこれを承諾しないので、その承諾に代わる許可を求める。」というのである。
二、よつて調べるに、資料によれば、申立理由1のとおりの事実が認められ、申立人は別紙(三)の建物とともに、同(二)の借地権を競売によつて取得したものと認められる(ただし、借地の範囲は申立人の主張と異り別紙(一)のとおりであり、また、右賃貸借は昭和二七年九月一日に成立し、期間は同四七年八月末日までと認められる)。
そして、資料により認められる事実関係に徴すると、本件の賃借権の譲渡により賃貸人に不利となるおそれがあるとは認められない(右事実によると、申立人が右建物を転売することも予想されないではないが、このことから右の判断を動かすべきものとも思われない)。
それ故、本件申立はこれを認容すべきである。
三、次に附随の処分について検討する。
資料によると、本件賃貸借については権利金の支払はなく、従前の賃料も比較的低額とされて来たこと等の事情が認められ、これに鑑みると、本件譲渡許可にあたり、申立人に相当の財産上の給付を命ずるのが衡平に適すると考えられる。そして、その額は、右のような本件借地に関する事情に合わせ、鑑定委員会の意見を考慮し、結局右意見に現われた金四八万円をもつて相当と認める。
賃料については、鑑定委員会の意見を酌みその変更の必要がないものと認める。(安岡満彦)
別紙
(一) 土地
東京都世田谷区太子堂五丁目一八一番一
宅地 五一九平方米(一五七坪)
のうち105.09平方米(32坪)
(二) 借地権
右建物を目的とし、賃貸人を相手方、賃借人を竹内か子とする普通建物の所有を目的とする賃借権
(三) 建物
右地上に存する(家屋番号一八一番一の一)
木造瓦葺二階建居宅兼工場
床面積 一階 60.42平方米
二階 43.80平方米